5月某日。
1日練習が見られると思ってグラウンドに着くと、土砂降りだった。
仕方なく、バッテリーは残って野手は学校へ移動することになった。
これが関西の雨の日の基本的な練習スタイルだ。
野手メニュー担当は浜田コーチ。
部員を3つのグループに分け、階段ダッシュ、素振り、筋トレを
順番に回していった。
浜田コーチは階段ダッシュの前に座って、みんなの走りを見つめる。
階段は20段弱のもので、そこを普通に走ったり
段抜かし、うさぎ飛び、おんぶなどで登っていくものだ。
選手の表情を見ていると、おんぶが一番大変らしい。
「おーい、谷ぃ!よー飛ぶなぁ、バネあるなぁ!」
谷重寛くんのジャンプ力(うさぎ飛び)は確かにすごかった。
今度は「藤井(一輝)はもぅギブアップかぁ?」とニタニタ。
藤井くん、瞬発系のトレーニングではいつも標的だ。
このグループ、3年生には川辺郁也くん、大嶋一誠くんと
ヤンカー勢がそろっていた。
筋トレメニューでも後輩に丁寧に器具の説明をするなど、しっかりしている。
ちょうど2年前、グラウンドの隅っこで右往左往していた彼らの
堂々とした姿に、感心したのでした。
ダウンしていると、今度は円になって進路トーク。
「やっぱ岡山から出るべきですか?」、「自分は大阪かなぁ・・・」
「やじゃあ、俺は岡山から出たくない!」などなど。
3年生はどうしても進路に敏感な時期だ。
左奥の影から浜田コーチが目を光らせてます
同じくらいの体重同士がコンビを組む 後ろから見るとこんな感じです
1年生もたくさん入った。
2年生は上級生にしか許されない紺色シャツを着ている。
微笑ましいなぁ、と思ったそのとき!!
シャツの色は違うのに、同じ顔が私の前を2度通った。
「あ、弟なんです(笑)」と木村大二朗くんが1年生の弟・幸二朗くんを紹介してくれた。
眉毛の濃さ以外、瓜二つである。
なお、徳武良平くん(船引世代)の弟・裕くんもいたが、全く似ていなかった・・・
双子みたいな木村兄弟。2人ともビガーズ→関西
筋トレは、体育館の1階で行う。
浜田コーチの目が届かないということで和気藹々。
かと思いきや、楽しそうに真面目に取り組んでいる。
綱によじ登ったり、自転車マシンなどを使い、各自こなしていく。
綱登りはできない子は意外とできない。
バーベル上げでは、お互いにしのぎを削り合いながら必死だ。
後輩と楽しそうにやっているのは岸本悠揮くんと和田翔くん。
宙に浮いたまま鉄具を穴にはめて横に移動していくトレーニングで
なぜか大騒ぎしていた。
パワフルなところを見せてくれた高田翼次くん よじ登りを休憩中の高橋皇貴くん、かな?
左から早野直人くん、中原将くん、蔵力和人くんの2年生たち
あるグループを見に、体育館へ移動すると昇降口に感激。
シューズがきれいに並べられていた。
下級生は技術だけでなく、こういうところもしっかり見習うべきだ。
首脳陣は選手たちが考えている以上に野球だけでなく普段の生活態度等も
しっかり見ている。
見ていて気持ちがいい昇降口
真面目にやっているところにカメラ目線をありがとう(高月くんと榊くん) 素振り中の1年生たち
野手たちはちょっと早めに終了。
制服に着替えて、すぐに帰って行ってしまった。
今度はグラウンドへ移動してみる。
江浦監督率いるバッテリーが投球練習中だった。
本来なら終わっていてもいい時間帯なのだが・・・
「それが監督さんにすっごい怒られました・・・。準備ができたことを言わないで
ずっと部室で監督さんが来るのを待っていてしまったんです」
反省した表情で3年生たちは事情を説明する。
人工芝が張られたキレイなブルペンで投球練習していたのは
1年生の古田隆之介くん、緑川大陸くんのバッテリー。
監督、コーチが見ているなかで20球ほどを投げた。
今度は中村将貴くん、大塚裕碁くんらも偵察にやってくる。
「おお〜今の球ええな」などとチェックしていた。
緑川くんは野球人生で初のキャッチャー経験だという。
「全然慣れないです」と勉強の毎日だそう。
最後はみんなでブルペンに水撒き。
ホースの使い方に悪戦苦闘しつつ、きちっと整備に励んでいた。