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全員ちたいんや!

関西高校野球部
〜Vol.3〜

全員じゃないよ〜@ランニング船引チーム

 5度目の訪問は最高気温10℃前後という
過去最も寒いものとなった。

いつもと変わらぬ光景。
グランドに向かうと、「っちわ」と53名の1、2年生が挨拶。
思わず私も「こんにちわ!」と元気良く挨拶したくなる。

ダッシュ、キャッチボール、ペッパー・・・と
練習は始まったばかりだが首脳陣の姿が見えないので
探していると、ネット裏には見慣れぬ白い建物が。
そこには「スタッフルーム」の文字。
不思議に思いつつ、中に入るとヒーター完備の部屋。
11月に完成したばかりのきれいなこの部屋には
マイクも付いていて、江浦滋泰監督の低い声が
グランドに響く。マイクは全てグランドに向けられているため
今のところご近所さんからの苦情はなし。
選手の反応は・・・「どうなんですかねぇ?」

ノック。その終盤に待ち受けるのはノックノーエラー。
内野のノックでエラーしたら、部員みんなでベースを1周するのだ。
エラーした選手は「すみませーーん!!」
フォローとしては「いい練習だーー」。
「まぁ〜た●●かぁ〜!」とさすがに回を重ねるとこんな叫びも。
2日行った練習のうち1日目はこれでもかというくらい周っていたが
2日目は1日目の半分以下。これには部員もガッツポーズ。


みんなでぐるっと1周走る・・・


ノーエラー達成で思わず「よっしゃー!」

内野手たち
2日目は早めにノーエラー達成!みんな、特に長尾信幸君(一番左のタートル)がニッコリ☆

ここからは個人メニュー。投手陣は走りこみがほとんど。
グランド外の坂を利用したりと様々だ。
監督さんが積極的に取り入れているのが
股関節を鍛えるための練習・サイドステップ。
10メートルの幅を作り、移動しつつ横向きに足を開いて、というものを
5〜10セットやる。(うまく言葉で表現できないので写真を参照)
最近はトレーナーの方にも来てもらい、筋トレにも積極的に励むようになった。
(このトレーナーの方は近々、ジムを開設予定)
トスバッティングでは細い鉄棒で打つことも。
済美がやり始めたそうだが、駒大苫小牧も導入するとか。

1年生、2年生、3年生
サイドステップ@
左から(顔見えないけど)上田剛史君、椎葉琢之君、3年生の本池太一君(専大合格おめでとう!)

2年生率高っ!
サイドステップA 黄色いのも最近出来たそう。「球場っぽいでしょ?」by監督

船引俊秀主将率いる新チームは投打のバランスに優れたチーム。
船引(遊撃)、松本雅俊(二塁)の二遊間は鉄壁。
右サイドハンドの西所学広たかひろ、平井裕也のバッテリーも
昨春の県大会から経験を積んでおり、信頼関係もばっちりだ。
西所君は「平井のサインには首を振らない」と絶大な信頼を置く。
(以前、振って打たれた経験があるからだとか・・・)
そんな西所君を監督さんは「度胸がある」。
そして、みんな口を揃えることは「チームワークが良いこと」。
一人だけ凄い選手がいるわけでもなければ
「天狗になる選手もいない」という。
そして、私が見て思ったことは、練習と普段との切り替えが上手く
今までに無い大人なチームだということ。
だからといっておとなしいというわけではなく、素直な子が多く見える。

そんなチームを影で支えるのが、唯一のマネジャー長安皓也君。
前のチームは全部で4人?いたマネジャーも、今は1人。
グランドの外でせっせと薪を集めてドラム缶に火を熾す。
監督から「長安っ」の呼び声がかかれば、ダッシュで監督の下へ。
毎日笠岡から通い、船引君とともに最後までグランドに残る。
「監督には怒られてばかりで・・・まだまだです」

十河君髪伸びた!
左が長安君。右は3年生の十河達也君(佛大合格おめでとう!)
3年生は他にも奥野結君(佛大)、坪井孝四君(城西国際大)も来てました☆

左打ちが多い新チームです
黒いタートルは2年生。右後ろに見えるのがスタッフルーム

「1、2、3、4、5ー!」
行動を移すときは、この掛け声で始まる。
実は1日目、監督さんから「最近聞こえてこないぞ」との指摘を受け
2日目には盛んにこの掛け声が聞こえるようになった。
今度行くときもこの声がいっぱい聞きたい。

2日目最後の練習は、チームを2つに分けてランニング。
1チームをホームベースから、もう1チームをセンターから
スタートさせて、ひたすら走る。
1塁打(の時はその分全力疾走だったかな)、2塁打、3塁打、本塁打と
それを5〜10セット。時間にして約20分程走りっぱなし。
最初は集団になっていたが、段々と遅れだす子が・・・
もう1チームの選手に抜かれないように、ラストスパートをかける子もいるが
抜くほうも「抜きたい!」一心で力を振り絞り、その後姿をひたすら追いかける。
その姿を・・・首脳陣はスタッフルームでニコニコと見守る。
「がんばれ、中村!」とマイクが入ることも。
ベンチの前を見ると、脱ぎ捨てたジャンパーがずらり。
みんなの体から白い息と湯気が出ていました。

笑う余裕のある子とそうじゃない子と・・・
キツイはずだけど、船引君がいい笑顔

1年生が遅れ出した(><)
段々バラけてきました・・・

2日目は朝10時から夕方5時過ぎまで練習。
先日まで2年生は北海道へ修学旅行だったのに、元気でした。
制服に着替えて帰りの準備。
その間私はドラム缶の火に当たり
いただいたみかん片手にみんなとおしゃべり。
方言や大学生活、「東京ってどうですか?」などなど。
最初はイヤだった焚き火の臭いも忘れてしまいました。

そして1月31日、関西に3年ぶりの甲子園切符は届くだろうか。


上田くん、一人でピース(笑) こんな写真も

 

*Special Thanks  江浦滋泰監督、浜田真吾コーチ、守安基弘コーチ
             関西野球部の皆さん、
             この場をお借りして、本当にどうもありがとうございました!

*関連ページ 02年センバツ 初訪問記 03年オフ記 宮本コラム 04年春季県大会

 

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