■本番 関西7−×8慶応■
シートノックの頃に見せていた青空も、試合が始まると
暗雲が立ち込めてきた。
雨がライトからレフト方向へと強く打ちはじめる。
風も、外野のお客さんの傘が球場内に
飛ばされてしまうくらい、また傘が逆さまになってしまうくらいだった。
試合開始当初、半袖だった選手が
ふと見ると、長袖に着替えていた。
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3月上旬の沖縄遠征も天候が悪かったとはいえ
監督の雷が落ちるくらい、チームの状態は最悪だったという。
岡山に戻り、甲子園開幕直前の練習試合から
徐々に良くなってはきた。
バッティングは上り調子、特に不調と見える選手はいなかった。
互いに接戦であることは予想していたが
両チーム合わせて20安打以上出る点は予想外だっただろう。
関西としては「先制、逃げ切り」というパターンに
持ち込みたいところだったが、それができず。
結局、自分たちの野球をすることができなかった。
本来であれば、途中西所学広を変えることもできたし
メンバーをしぼった室内練習のときも
控えの野手では椎葉琢之、徳武良平のみを連れていっており
この二人が代打で出ることも考えられた。
(実際、最終回を迎える前に、この二人をベンチに呼んでいるのが見えた)
しかし、西所にかわる投手を登板させることが難しかった上に
中盤、やや持ち直したところもあった。
西所は、2月上旬に胃腸を悪くし、体重も落としている。
正直万全の状態では大会を迎えることができていなかった。
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何度も何度も見てきているように書いているが
私はこのチームの試合を見るのが、初めて。
練習や普段見せる姿よりも、ずっと大きく選手が映った。
“あの二遊間、いつの間にあんなにたくましくなったんだろう”
“松本くん、敬遠されるなんてやっぱりただ者じゃない!”
体の小さい1、2番の二人が外野の頭を超える
長打を放ち、すごく興奮した。
かと思えば、5番バッターの西村くんが二度も三塁へバントを決めた。
その場でしっかり役目をこなす器用さが関西の選手にはある。
明朝、岡山に帰る関西ナイン。
岡山行きの列車に乗ったと同時に、新たなスタートを切ることになる。
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悔しい・・・
でも悔しいとはまた別の微妙な気持ちもあります。
数時間経って思ったことは、大阪入りしてから
練習も含め、一度も青空の下で白球を追っていないことに気付きました。
私は何もできませんが、夏こそ青い空と鮮やかに映える緑の中で
プレーさせてあげたいと強く思います。
コンディションが悪いのはお互い様だが
無失策で戦い抜いたことを誇らしく思う。
私は応援するチームの条件に「守備力」を一番最初にあげる。
やはりこういうスタイルを貫く関西が好きだ。
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